哲学チャンネル

哲学チャンネルとは

2021年2月時点で6000人程度の登録者を持つYouTubeチャンネルで、200本程度の動画をアップしている。


メインコンテンツは歴史上の哲学者とその思想についての解説であるが、哲学や心理学の書籍の解説もまれにおこなう。
優しい語り口と視覚的でわかりやすい資料が魅力であり、10分以内に纏まった動画のコンパクトさも隙間時間に手軽に知識を取り込むことができる。
アドラー心理学の解説に始まり、その後は古代~現代へ向けての西洋哲学の解説、日本・中国思想の解説を経て、現在はインド哲学の解説の入り口に入ったところである。


今後、仏教思想の解説などに大いに期待が持てる。

オススメ動画1 ハンナ・アーレント②

ドイツ人の現代哲学者、ハンナ・アーレントについて解説した動画2本のうちの後半動画。 ドイツがアドルフヒットラーに傾倒し、ナチスに傾倒していった根本原因についてハンナ・アーレントが〈全体主義の〉を用いて考察した主著【全体主義の起源】について主に解説している。


所属するコミュニティを失うことで個人がバラバラにされる”アトム化”、共通な敵を作ることにより団結する”ルサンチマンプロパガンダ”など、全体主義が蔓延する原因を解説している。 またナチス中枢部にいたアイヒマンですら仕事をこなしていただけのただのサラリーマンであったといった主張の解説もおこなっている。 現代日本にも通じる現象を視覚的でわかりやすい資料を用いて解説している良動画である。



オススメ動画2 ミシェル・フーコー②

フランス人の現代哲学者、ミシェル・フーコーについて解説した動画2本のうちの後半動画。

前半動画で解説したエピステーメーの変遷からの”人間の終焉”について後半動画では詳しく解説。


社会から逸脱した非理性的な生き方をする人間を積極的な判断をする現代社会についていくつかの例を用いて解説している。


教育によって扱いやすい民衆を管理することによっておこなわれる”生の教育”の具体例として「学校教育」や「パノプティコン効果」について解説している。


権力や同調圧力など抽象化された見えない監視者によって社会という構造によって収まるように監視されていてる現代人の特徴を指摘し、世の中が合理的、科学的、正論的に偏っていることによって”人間が終焉”するといったフーコーの考え方を視聴者が実感しやすい例を使用しながらコンパクトに解説している非常に納得感のある動画に仕上がっている。

オススメ動画3 孟子①

古代中国の思想家、孟子について解説した動画2本のうちの前半動画。


孔子の解説動画の後にアップされたこの動画では、「仁」を重視し儒教の道徳の基本となった孟子の教えを体系的に図解した資料によりわかりやすく解説している。


「性善説」、「四端の心」、「四徳」といった文章化や言語化だけではなかなか理解しにくい内容を、図やグラフまで用いて解説している。
孔子や孟子や儒教についての解説動画はYouTube上にかなりの本数があがっているが、ここまで視覚的に工夫されたわかりやすい動画は他にはない。
孟子の政治に関する教えを解説した後半動画、孔子の教えを解説した2本の動画、荀子の教えを解説した動画と合わせて非常に身になる動画である。