ディープな文学Youtuber

本当の文学好きなら必見のチャンネル

Youtubeではまだまだニッチなジャンルである「文学」を取り扱っているチャンネル。


文学系のyoutuberで一番有名・チャンネル登録数が多いのは「文学YouTuberベル」(2021年1月現在チャンネル登録者数約14万人)だが、文芸にはじめて触れる視聴者なら満足できるものの有名作やライトなエンタメ作品の紹介が多く、本当の文学好きには少し物足りない。
本当にディープな作品が知りたい、文体や構造・表現まで含めた解説がききたい……。
そんな本物の読者かにおすすめなのが「文学YouTuber ムー」だ。


「ベル」が発信するようなライトな内容ではなく、確実に読書家の欲を満たせるディープな配信を行っている。

「文学YouTuber ムー」の魅力

「文学YouTuber ムー」はまだまだ知名度は低いものの、読書家・書評家・批評者、そして情報を噛み砕いて面白く伝えるyoutuberとして申し分ない実力をもった人物だ。
なにより彼の動画の魅力は「ただの内容紹介、本の紹介にとどまらない」という点だ。


ほかの文学Youtuberの配信をみて「なんだ、知っている有名な本だし、内容もストーリーの感想でぜんぜん文学欲が満たせない」なんておもったことのある方は何の動画でも構わないので彼の動画を再生してみてほしい。


ただストーリー内容を辿ることではなく、人物同士の関係性が生み出す効果、文体、人称の操作、使用されている文学手法までディープに解説しており、かつわかりやすい。
かなり読んでいる上級読書家には理解者として、構造や文体を把握しだした中級文学青年には良き解説者として文学欲を満たしてくれるだろう。



「文学の手法を比較」動画がおすすめ!

ひとつの作品に絞って、頭から足ひいては内部まで解体して解説してくれる書評動画ももちろん面白いのだが、まずおすすめしたいのは、バルザック プルースト ドス・パソス フォークナー ガルシア=マルケスなどの有名海外作家の文体から語りの手法まで解説している「文学の手法を比較」シリーズだ。


上記の四人の作家の手法をリスト化、図式化しどの作家がどのような手法を行ってどういった効果を表出しているのかをわかりやすく知ることができる。
特にラテンアメリカ(コロンビア)文学の第一人者であるガルシア=マルケスの有名な手法である「マジック・リアリズム」について解説した内容はすばらしく、筆舌に尽くし難い。


純文学を読む、書く方は必見の動画シリーズだ。

「ノーベル文学賞 って何?」シリーズもおすすめ

彼の動画内容はディープでそれゆえに面白いのだが、逆説的に初心者には楽しめないものも多い。
そんな方には「ノーベル文学賞 って何?」シリーズをおすすめしたい。


おそらく普段文学には触れない方でも「村上春樹」という名前と共に毎年メディアで取り上げられる「ノーベル文学賞 」には耳馴染みがあるのではないだろうか。
聞いたことはあるけど、どういった基準で選ばれるのか、誰が選んでいるのか、どういう歴史があったのか、などを知識ゼロでも楽めるように紹介している。


文学ファンでなくとも、なんとなく雑学知識として、国際的なイベントの発祥から変化、現在までわかりやすく知ることができおすすめだ。また1動画もだいたい五分程度で終わるので手軽に視聴しやすいのも魅力だ。