我が天下

我が天下 物語第三章 銀屛の懐刀

その1

小玉はどこ?

朝に闇市に行ったが?

ひどいひどいひどい!

・・・ ・・・

どうして何も聞かないの!

どうしたんだ?・・・

小玉がひどいの!

昨日小玉が私の懐刀を勝手に借りて、鴨捌いたんだよ!李遺兄さんがくれたたいせつな物なのに!

後で探しに行ったら、借りてないと言って逃げたんだよ!?

・・・ ・・・

ひどいと思わない!?

あっ、うん、ひどいね・・・

でしょう!?そう思うでしょう!?

口だけじゃなくて、ひどいと思うなら小玉を探して!

約束!明日また来るから、ありがとう!

・・・ ・・・

これはイジメではないだろうか・・・

その2

軍営の天幕内

はい、次は私ですね!

小玉。

はい?主君様、どうかなさいました?


銀屛の懐刀を借りたのか?

いいえ、借りてないですが・・・

うん・・・忘れたのではなく?

借りてません、先日から銀屛が疑っていて、今は主君様も疑うのですか!?

では昨日の鴨は?

鴨なんて知りません!

・・・ ・・・

うん、はっ!これはもしや・・・

小玉があの李遺兄さんが好きで、嫉妬の腹いせに銀屛の刀を勝手に借りて毎晩抱いて寝ているのか!

小玉と話をせねば・・・

その3

刀は?取りに来た!

あー・・・ ・・・

小玉が鴨なんて知らないって言ってた。

え?

えーと、意訳すると、銀屛の刀を借りてないという意味で・・・

小!玉!け、決闘よ!あまりだぁー!

どうしたの?何で決闘?

小玉!よくもぬけぬけと姿を現したわね!刀を返さないと、な、泣くわよ!

ぷっ、落ち着きなさい。

先ほど糜夫人に君の居場所を聞いてきたの、はい、刀返すね?

な、何?

貸してくれてありがとう、よく切れるいい刀ね、鴨が豆腐みたい、ふふふ

・・・ ・・・

・・・ ・・・

どうしたの?いらないの?

・・・

こ、今回は、勘弁してあげる!次はないからな!覚えてなさいよ!

小玉・・・

なに?

前は借りてないって言ってなかったか?

言ってましたか?・・・すみません、覚えてなくて。

あっ、主君様、今日新しい商品が入りましたよ。主君に似合うと思って、見繕ってみました~。どうでしょうか?

変な小玉・・・
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