我が天下

我が天下 物語第二章 運命の中の女

その1

主君は運命を信じますか?

小玉は?

今闇市で、異国の女の人に出会い、いきなり手を引っ張られました。

彼女が私を見る目、まるで私の魂すら見透かされてる気分でした・・・私の掌を見て、私に姉がいると告げました。

占い師?

そして更に、私と姉が各々一本の茎に二輪の蓮の花の模様がある玉を持っていて、それを無くした私は、姉を無くしたように・・・。

夢を同じだね、確かに玉を無くしてる。

はい、姉を知っていますかと尋ねましたが、今はその時ではないと・・・

本当に、私に姉様がいたのですね・・・

その2

また会いました。

誰のことが?

あの異国の女の人です、これをくれました。

夢に出たあの玉を、今が所有者に返すできときであると言ってくれました。

誰かが彼女に質入れした物で、その日私に会った時、私がその玉の所有者と感じたと・・・

・・・ ・・・

その女の居場所は分かるかな?ちょっと挨拶がしたい。

玉をくれた時に、これと交換に主君と会いたいと。

私に会いたい酔狂な人がいる?

私に会いたい胡散臭い人がいると聞いて。

ふふふ、ええ。ここの人が皆、主君の武勇伝を口に挟んでいるものだから、少々気になってしまって、この通り、店をやっていてね、何卒御贔屓に。

商談は商談だ。一つ警告する、私は運命を信じないし、君が小玉の過去を見透かしたことも信じない。小玉に対して何か企んでいるか知らないが、もし彼女に害をなすことにしたら、それなりの覚悟をしてもらうぞ。

ふん、運命は人に理解され、わかるものではないさ。あんたの馬を放牧してみな、もしかしたら、何か得られるかもだよ?何か貰えるかは、あんたの運命次第さ、人の子よ。

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